
記念すべき、200記事目。
200記事目は、これにしようと決めていた。
”あけみちゃん”こと、岡部明美さん著・「私に帰る旅」。
現在学んでいるLPL養成講座の講師であり。
勿論カウンセラー&セラピストのほか、こうして作家として著書も出されている岡部明美さん(あけみちゃん)。
岡部明美 プロフィール
岡部明美公式ブログ:POWER OF BEING
本書はそんな あけみちゃんが、脳腫瘍と水頭症による死の淵から奇跡的な生還を機に人生を見つめ直し
魂の願いに寄り添って生きようとするための、真摯なる自己探求の”旅路”の記録。
最近まで入手が難しく、中古も高騰していた本書が、この程 新版としてよみがえり、Amazon等でも手に入れられるように。
今の自分の生き方に、何か違和感を覚えている人。
望ましくない人生のパターンから、抜け出せない感じがしている人。
人生に行き詰まっている人や、その分岐点に立ってしまっている人。
・・・そして、そんな感覚すら抑圧し続けた結果、人生の土台から燃え尽きてしまった人。
そんな人に読んでもらいたい1冊だ。
・・・というわけで
読後感想。
「自分はもしかしたら、この40年間をもって あけみちゃんに出会うための準備をしてきたのではないだろうか・・・」
新版が出て、またLPLを目前にして、改めて読み直した本書に対する一番の思いが、これだった。
そうでなければ、なぜ・・・
・・・この間まで税理士として働いていた人間が、突如として謎の「心身強制終了」を起こし、なぜ自分がそうなったのかもわからずパニックに陥ったのか。
なぜそこから、“心の学び” の必要性に目覚めたのか。
なぜそこから、思いもよらない出会いが始まり、広がって、今に至るのか・・・
そして何よりもそう考えなければ、本書が今までの自分とシンクロするように響く理由を、説明できないのだ。
自分はあけみちゃんのように壮絶な病魔との戦いがあったわけでもなく、死の淵を彷徨ったわけでもないけれど
自分の命や魂の持つ力といった “内なるもの” の存在を忘れ、人生の指標を自分の外側に求め続け・・・
その限界を迎える人生を送ってきてしまった。
それはまさに “超・超縮小版” ではありながらも、あけみちゃんと同様の流れを人生において辿ってきたように思ってしまうのだ。
だからこそ、あけみちゃんが死の淵から持ち帰った、世界全体を包み込むような “生への言霊” が自分に響くたび・・・
どこか自分の深いところでしみじみと”魂の喜び”のようなものを感じる一方。
この本の言葉、あけみちゃんの言葉が今の自分自身に”響かざるを得ない人生であった”ことに
一抹の残念さ・切なさといったものが複雑に絡み合っているような思いがする。
そして何より、あけみちゃんが「今こうして生きてくれている」こと。
そして、人生の再生に向かわざるを得なくなった人たちに、その「命の言霊」を届けて下さること。
・・・そのことに対して、なにか“大いなるもの”に対する、深い感謝の念を抱く気持ちになるのだ。
命の力、命の大河
あけみちゃんが自らの命・魂・人生の再生へ向かう旅によって、今こうしてあけみちゃん自身の「命の大河」が世界に流れ。
・・・恵みを与え、今も少しずつその形を変えながら、雄大に流れている。
そして、その大河の形成に必要だった様々な人との出会い・・・「命の大河」との出会いが、そこに混ざり合っている。
まさに大自然の流れのように、人の命の流れも、見えないところでつながり、分岐し、形を変え、また混ざり合う・・・
そのような感覚を、本書を読むと感じる。
自分にとってこの1年は、突如訪れた「価値観の大パラダイムシフト」に戸惑いながら進み続けた1年だった。
それはまさに 「人の心は不意打ちに弱い」 という言葉の通りで、本当に “自分に一体何が起きたのか?” という思いで一杯だった。
それでも、これまでのような、自分に無理をした命の使い方には “もう戻れない” という思いの中で、どうにかやってこれたように思っている。
その“自己再生の力”はまだまだ弱いけれど・・・
本当はいつも持っていた “魂の叫び” が、自身の心を “不意打ち” することで、自己を再生させようとする・・・
「心への不意打ち」というのは、実は命の深いところで普遍的に存在している、瑞々しい “命の力” なのではないか、と思う。
「あるがままの自分」に帰るということ
あけみちゃんがよく使う言葉で好きなのは、「本当」とか「丸ごと」、「等身大」といった言葉。
なぜなら、その言葉の根底に流れている “良いも悪いもない、清濁併せ持つ、あるがままの自分を抱きしめる” という優しさこそが
今までの自分に足りなかったものであり、最も欲していたものだったことに気付かされるからだ。
実際、本書を初めて読んだ時に感じていたことは「あけみちゃんくらい壮絶なことがあって初めて
“辛かった” とか “寂しかった” 、“苦しかった” とか “頑張るのを止めたい” “自分の何かを変えたい” といったことが言えるのであって、
自分レベルではまだまだそんなことを言うのは“甘え”なのだ」という思いを抱いていた。
でも、その状態こそが自分の “あるがままの感情” を否定していることであって。
本音の自分がそう感じていることに気づいたのなら・・・
そこに大小をつけず、その感情をただ感じてあげる事が「本当」とか「丸ごと」「等身大」の自分を抱きしめ、一つになるということなのだ、と思い至るようになった。
そもそも、このぐらいだと壮絶な人生で、このぐらいだとそうではない、という “モノサシ” もまた
所詮はなんの根拠もないただの”ジャッジメント”であって。
その世界観で自分や他者、世界を見ることは「愛のないものの見方」になりかねないのだ、と思う。
そんな自分を大切にするために、足りなかったもの。
それは「 “今・ここ” での自分の体験、体感、実感による “気づき” を大切にする」ことであったことに、改めて気づかされた。
そして、それを自分の中にある「真実」と呼ぶ、あけみちゃんの言葉使いがとても好きだ。
そしてまた。
その「真実はいつも変わらず、自分に抱きしめられるのを待っている」、と感じている。
そうでなければ。
人はいくらでも自分を偽り ごまかしたところで、そんな自分に”生き辛さ”を感じぬまま生きていけるはずだから。
そしてそんな「生き辛さ」は、本質を変えずバージョンだけを変えて、何度も自身に襲いかかる。
そうやって、どこかで必ず、その生き辛さこそが「自分へ帰る」ことへの扉であったことに、気付かされる・・・
その点にこそ、人の”命の力・魂の力”を感じずにはいられない。
そしてそんな「生き辛さ」の原点の殆どが・・・”家族” である、という事実。
それを「修業の場」と表現する言葉に触れると、その修業の果てに到達する境地は「どれもこれも結局は愛だった、という実感」なのかもしれない、と思う。
これからもそんなテーマをもって、”修行” に励みたい。
でも、そういった「修行し、真実に立ち返ろう」ということを大切にし始めると、どうしても出てくるのが・・・
「できれば垣間見たくなかった自分との出会い」だ。
そして、そこで “味わい直す” 感情は、時に “もうここから抜けられないのでは” と不安になるほど、味わい尽くすのが大変なこともある。
しかし、そこに挑んで、味わうことで分かるのは・・・
その ”味わってこなかった事” こそが「実は自分を、生きづらくしていた」ということ、なのだ。
そうやって「感情の階層」を、自分なりのプロセスで”探検”していると・・・
どうしても「心というものの制御不能な魔物感」やその海の「深さ」に驚き、その世界をスパイラル・アップどころか “スパイラル・ダウン” しているような感覚に陥ってしまう。
でも、そのプロセスが「私が私をわかってあげようしている」ことであり、いつかそのことを「私のいのちが喜んでくれる」日が来ることを、信じてみたいと思っている。
そして、そんな ”心の探検” のなかで「人は自分が傷ついたとき、つらい気持ちを味わった時に、無意識に何かを決める」という言葉が、深く響く・・・
その「決める」というのは、自分にとってはどちらかというと・・・
それによって “表出している” ものよりも、その背後にある「“無いことにする” と “決めたものは何か?” ということ」に注目する自分がいる。
なぜなら。
・・・そこに光を当てることの大切さを、感じるからだ。
その一方で、自己探求の上での心構えとして「わからない、というところに留まってもいい」「とらわれから解放されなければ、と思うとまた苦しくなる。だから、ただ、“気づく” だけでいいのだ」という言葉もまた響く。
なぜなら、どうしても自分が陥りやすいのは 人生へのアプローチが「問題の発見と解決」にフォーカスしがちなこと だからだ。
この点を日頃から気をつけ、かといって、ついそうなってしまう自分を責めず、進んでいきたいと思う。
「私は私でしかないのに、いつも何か他のものになろうとしてきた。
私が私の人生を生きないで、誰が私の人生を生きるのだろう。」
この言葉が、本書で最も刺さる言葉だ。
でもきっと、長い間そうやって「自分の人生を生きる担当者を不在にし続けて初めて見えてくる、その事自体の問題」を ”実感をもって知った” 人というのは、どこかでそれを ”人に伝える”お役目がある・・・
そのための “これまでの人生” だった、と思える日が来る・・・
どこかでそう祈っている自分を、いつも感じながら過ごしていることに、気づくようになった。
「結局これまでだって、自分を見失ってきた私もまた “そういう私だった” のだ。」
・・・そんなことをいつか、肚の底から実感してみたい。
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