伊勢に発し伊勢に結ぶ巡拝の旅、これにて満了。

神社探訪は一路、淡路島へ。

日本神話における我が国最初の夫婦、イザナギとイザナミ。
その夫婦神による神功「国生み」において最初に生まれたのが、この淡路島だ。

二人はその「国生み」に始まるすべての神功を果たした後、その後の日本統治を我が子であるアマテラスに委譲。
そして余生を過ごしたのがここ、”幽宮(かくりのみや)”こと「伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)」である。

これだけ聞いても、日本屈指の聖地であることは間違いない。

三宮から神姫バス(高速バス)に乗り、一路 伊弉諾神宮へ。

▼阪神淡路大震災によって倒壊後復旧された、正面参道の大鳥居。圧巻の大きさだ。それとの比較で、両側の狛犬もまた巨大であることがわかる。奥まで見渡せる参道は、直線の美しさも際立つ。

▼その正面参道の狛犬。とにかく巨大で圧倒された。

▼ちなみに西参道の鳥居も震災で倒壊、その後復旧されている。写真は狛犬も合わせて。

▼あらためて正面参道へ戻り、進む。とても厳かだ。右手には さざれ石。

▼参道を進み二ノ鳥居をくぐると、左手に伊弉諾神宮を基準とした太陽の運行図。

▼東西南北、及び夏至・冬至の日の出・日の入りの方角に名だたる聖地が位置している事がわかる。これぞ神の思し召しか・・・

▼斜め上を向く方角が、北。そして各方角にある聖地がわかるように、記されている。

▼あらためて、御由緒。御祭神はいわずもがな、イザナギとイザナミ。

▼二ノ鳥居を過ぎると、放生の神池(ほうじょうのしんち)がある。病気平癒や不良長寿のため鯉や亀を放って祈願する放生信仰の習慣を思わせるものだ。

▼そして、放生の神池の向かいに立つ、表神門。神威を感じさせる佇まいだ。

▼表神門をくぐり、社殿へ・・・”余生”を過ごした”幽宮”という言葉のイメージとリンクするような、密やかにして厳かなる佇まいだ・・・

早朝にきた甲斐もあってか、そのような空間に、自分ただ1人が、佇んでいる・・・

そして、参拝・・・とてもありがたい気持ちになった。

▼本殿左側へ。とても重厚でありながら、それはどこか「住まい」であることを沸々と感じさせる、不思議な存在感だ。

▼本殿左から奥へと進むと、境内社「竈神社」「根神社」。

▼本殿後背を進み、右側へ。「住吉神社」「鹿島神社」。

▼その手前には「左右神社」。イザナギの左右の目から生まれたというアマテラスとツキヨミ(ツクヨミ)が御祭神だ。

▼今度は本殿右側。とても美しい造形。

▼本殿を神馬越しに。

▼本殿右側から、拝殿と表神門を眺める。静寂のなかに漂う神威を感じる。

圧倒的な生命力を放つ御神木「夫婦大楠」

本殿右側には、その圧倒的な生命力を放つ御神木がある。

それがこの「夫婦大楠」。樹齢はなんと900年の巨木で、「岩楠神社」の境内に立っている。
もともとは二株だったものがやがて合体し、一株に育った「連理の楠」なのだそうだ。
まさにイザナギ・イザナミ夫婦のご神木にふさわしい。

▼岩楠神社と夫婦大楠。樹高約30mと、とにかく大きすぎて全体像を捉えるのは一苦労だ。

▼夫婦大楠を、色々なアングルから。

とにかく圧倒的な生命力だった・・・

▼さらにその右側には淡路祖霊社がある。

参拝を終え遭遇した、魂を揺さぶる ”詞(うた)”

参拝を終え、帰途につこうとした、その時だった。

神職が殿内に集まり、その”詞(うた)”は・・・始まった。

思わず拝殿の方を向き、立ち尽くした。

その時間になるとちらほら来ていた他の参拝客も、老若男女問わず、その足を止める。
思わず手を合わせながら聴き入る人もいた。

その声色も様々に。
西洋音階で考えれば不協和音にもなるであろう、その混声。

しかしその混声こそが、神秘的な和合を見せ、そのまさに ”言霊” が・・・

魂を、揺さぶる。

それは読経のそれとは異なる響きで、自分の中に・・・入ってくる気がした。
 
 
仏教の読経は、精神の奥深くにその教えを放射するかのごとく、響く。

しかし、この ”詞(うた)” は・・・

ややもすれば忘れてしまっている、日本人としてのプリミティヴな部分。
アイデンティティ。そのDNA。

トライバルな血潮、そのもの・・・

・・・そんなものを呼び覚まし、祝福し、深い所から揺さぶるような響き、だった。

国生みの地で、このような ”詞(うた)” が聴けたこと。
なんとありがたいことか。

実に思い出深い、参拝になった。

▼帰りのバスの車窓。明石海峡大橋からの眺めは、”青”がキレイだった。

”巡拝路”の最後は、再びの伊勢へ

その ”巡拝路” の始めの地として、以前訪れていた ”伊勢神宮”こと 神宮。

その時は、敢えて外宮のみ参拝していた。

そして今回再び伊勢を訪れ、神宮内宮を参拝。
イザナギさま・イザナミさまご夫婦を参拝したその日に、その御子神であるアマテラスさまを参拝する。何とも感慨深い。

伊勢に発し、伊勢に結ぶ。
・・・近畿に広がる大結界、一筆書きにてその巡拝が完了した・・・

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