神社でまさかの、プチロッククライミング体験。

前回の常陸国神社探訪で訪れた、御岩神社。
(その時の記事は こちら
その際、御岩山の保守管理をしているボランティアの方が教えてくれたオススメ神社がいくつかあり、改めていってみることに。
その1つ目が、茨城県日立市大みか町鎮座、大甕神社(おおみかじんじゃ)。

ちなみに最近では大ヒット映画「君の名は。」のスピンオフ小説に登場した神社として話題のようだ。

訪れてみると、そこはダイナミックは岩群に囲まれた、独特の佇まいに圧倒される神社だった。

御祭神と御由緒 ~「封ぜし織神」と「封ぜられし星神」

御祭神は、次の2柱。
○主神:武葉槌命(たけはつちのみこと)・・・織物の神様
○地主神:甕星香香背男(みかぼしかがせお)・・・星の神様

創祀は不詳ながら、社伝によると皇紀元年のようだ。

そして、その由緒も面白い。
鹿島・香取の二神がどうしても征服することができなかった星神、甕星香香背男。

その星神を二神に代わり単独で征服してしまったのが、織物の神様である 武葉槌命。
そしてその征服の際、星神を「宿魂石(しゅくこんせき)」に封じてしまったのである。

で、この神社・・・

実際に、その巨大な岩山である「宿魂石」を背後に拝殿が立ち・・・
本殿はその宿魂石の上に建つ神社、なのだ。

なんともダイナミック、である。

主神・武葉槌命の性別は?

社務所に問い合わせしてみると・・・

まず出てきたのは「織物の”女神”さま」というフレーズ。
「鹿島・香取の二神でも征服できなかったのを武葉槌命が征服できたのは、”彼女”が女神だったから」という説もあるようだ。

ただし、男である根拠も、勿論ある。
武葉槌命は天羽槌雄神(あめのはづちのおのかみ)とも呼ばれ、文字通りの ”雄神” である、という捉え方。
また、大甕神社本殿の千木は垂直切りになっていることから、男神と捉えることも可能だ。

神社社務所のスタンスとしては、性別がどちらか、ということは重要視しておらず
単に「織物の神様」という部分を大切にしているようだった。

で、個人的には・・・「女神さま」、と捉えたいなぁ。
なので、以下は「女神説」の立場で当記事を進めますよ。

だって、そのほうが・・・
この七夕を前に「”織” の女神」と「”星” の男神」という図式になるから! 

ロマンチックじゃん。

というわけで・・・
自立系で武闘派な女子と、そんな彼女にボコボコにされ 文字通りの ”ロックマン” になってしまった男との微妙な関係が、この神社にはある・・・
 
 

いざ、参拝

大甕神社はJR「大甕駅」を下車し、線路を越える橋を渡ってしばらくしたところにある。

▼歩いていると突如、いかにも「神社」な佇まいが見えてくる。

▼正面へ回ると、アイキャッチ画像にもある大鳥居。

▼大甕倭文(おおみかしず)神宮ともいう。

▼狛犬。

▼狛犬のそばには、なんとも可愛らしい道祖神さま。

▼ちなみに、この大鳥居の反対側は国道6号線が走っていて、その向こうにも境内がある。
国道向こう側には、久慈浜稲荷神社と、祖霊殿。

▼大鳥居をくぐる。右手に社務所を見ながら進むと「甕星香香背男社」が見えてくる。

▼甕星香香背男を祀る、甕星香香背男社。

▼その屋根のマークに注目。なかなか珍しい、星マークだ。

▼その近くの木。天狗にみえたので、なんとなくパシャリ。

▼更に奥へ進むと、天満神社。

▼また更に進むと景色が開け、拝殿前へ。御岩神社にも似た様式の重厚な屋根だ。

▼御由緒。甕星香香背男は、天津甕星(あまつみかぼし)の名前のほうが馴染みがあるかもしれない。

▼拝殿の狛犬。

▼拝殿向かって右側の彫刻。昭和初期のものらしく、「当社祭神建葉槌命(=武葉槌命)悪神甕星香々背男ヲ金田山魔王石上ニ誅スルノ図」とある。この彫刻は武葉槌命を男神として描いたものだろう。

日本神話において星神は 服従させるべき神、すなわち「まつろわぬ神」として描かれるようだ。

▼直接拝殿へアクセスする入り口もある。目の前は車道のため、横断注意。

▼拝殿向かって左。自然のダイナミズムを活かした無骨さがなんとも素晴らしい。

▼拝殿左側にも彫刻。その奥の方にも小さなお社がある。

▼再び拝殿の右側へ移動。境内社(左から稲荷神社・大杉神社・八坂神社)が鎮座している。そして写真中央には「宿魂石」の石碑。

▼宿魂石とはこの石碑をいうのではなく、拝殿後ろの、この岩山全体をいう。そしてその岩群はなんと5億年前のカンブリア紀の地層・・・日本最古といわれる地層だそうな。

稲荷神社と大杉神社の間から、本殿への参道が延びている。要するにこの磐座=宿魂石を登って本殿へ行くわけだ。

本殿参道で思わぬ ”プチロッククライミング”

さて、この本殿参道、宿魂石を登って、いよいよ本殿参拝だ。
(注)途中から語彙力が若干低下します。 

▼登る。ゴツゴツした岩の参道。女性はヒールではほぼ無理だと思われる。

▼中腹へ。なんだか灯籠らしきものが見えてくる。

▼さらに登るため、回り込むように道を左へ。角度が変わり、2つの灯籠が見えた。

▼さて、登りますk・・・わわっ!

▼えっ、鎖?!

▼えええぇぇぇ!!とっとっ、とりあえず登る!

▼あらららら、また鎖!

▼見下ろす・・・結構高っ!

▼どどどゆことこれ!

▼振り向くと・・・・うぅわ!

▼ゴツゴツうぅわ!!

▼わわわかりました、行きます!今行きますから!!

▼わぁーーーーー!!!

というわけで、参拝完了・・・

▼帰り道は、反対側へ伸びる石段を使って。

勿論こちらから登ることもできるが、雰囲気を味わいたいなら、俄然先ほどの”表参道”だ。
ちなみにこの”裏参道”側を降りると、先程の甕星香香背男社の右側へと降りてくることができる。

というわけで、本殿参拝は まさかまさかのプチロッククライミング体験となりました・・・

巨大な磐座・宿魂石の頂上に鎮座する本殿。
その御祭神である織物の女神に封じられた、星の男神。

その御由緒を そのまま体現している、ワイルドな杜。

”自律系武闘派女子”と、彼女に叩きのめされた”ロックマン”が、結局なんだかんだ一緒にいる神社。
そして、そんな二人のシンボルが「織」と「星」というのも、面白い。

そんな凸凹な二人が寄り添っている神社に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか・・・

おしまい。

所在地

○大甕神社(大甕倭文神宮)
〒319-1221 茨城県日立市大みか町6丁目16−1

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