これぞスピリチュアル・タイピング?!

先日、Web・Blogコーチの ”ものくろさん” こと大東信仁(おおひがしのぶひと)さんが主催運営する ”ものくろキャンプ” に参加。
”親指シフト道場” という講座に参加してきました。

親指シフトとは日本語タイピングにおけるキー配列のことで、1979年に富士通が考案したもの。
そしてそのスタイルは、かな入力ともローマ字入力とも異なる。

「親指シフト」の持つ革新性

最大の特徴・”同時打鍵” がもたらす ”疲れないタイピング”

ベースとなるイメージは、「かな入力」。
ローマ字入力と異なり、1打鍵でひらがな1文字を打つことが出来る入力方式だ。
まずこれだけで、タイピング労力はローマ字入力の「半分」になる。

そして、その打鍵時の最大の特徴が、”同時打鍵”

1つの「かなキー」だけを押す”単体打鍵” と、親指の位置にある「親指キー」と「かなキー」を ”同時に押す” 場合とで、
それぞれ異なる「かな入力」が出来る様になっている。
1つのかなキーに(原則として)2つの「かな」が割り当てられているのだ。

そのため、通常のかな入力よりも狭いキー範囲で50音をカバーすることが可能になっている。

1打鍵で、1文字入力。
さらに同時打鍵を組み合わせて、狭いキー範囲でタイピング。

これによって得られる恩恵は、よりコンパクトで、労力のない、”疲れないタイピング” だ。

ホームポジションの列だけで約6割の日本語が打てる?! ~練られたキー配列~

そしてその配列も、スムーズな日本語が打てるよう、日本語に関する調査をベースに練られたキー配列になっている。
それを証拠に、ホームポジションの列だけで約6割の日本語が打てるようになっているとのこと。
ただし、開発当初に比べ現在はどんどん「外来語」が溢れるようになったことで、その精度にも変化があるようだ。

▼というわけで、参考動画を紹介。


この動画で、親指の動きに注目してみると、常に一定のポジションに置かれた親指を同時打鍵している雰囲気が分かると思う。
入力中の安定した手の位置や打鍵の静けさから、一見ルーズなタイピングに見えるが、そうではなく
むしろそれだけ低労力で入力できるということ。

この動画は親指シフト専用のキーボードを使用しているようだが、今の一般的なキーボードでも入力が可能だ。
そして、その一般的なキーボード向けに改善・最適化されたキー配列が、今回学んだ「Orz(おるず)レイアウト」という独自レイアウト。
そのキーボードに対する汎用性と入力のし易さから、雑誌MacPeopleにも掲載され、”革新的” と評されたのだそう。

そして何を隠そう、この「Orzレイアウト」の考案者こそ、今回の講師である ものくろさん なのだ。

親指シフトの導入設定は「ものくろさん」の誘導におまかせ!

親指シフトの導入は、対応のアプリをPCに設定することになる。
これについては、ものくろさんの誘導にお任せでOK。
そして、一度導入したあとは 「親指シフト↔これまでの入力方式」 への切り替えはいつでも可能。

この講座にかかわらず、ものくろさんはいつも親切丁寧に楽しく教えてくれるし、大安心なのだ。
ものくろさんの講座がいつも大好評なのは、なんといってもこの部分の魅力によるものだと思う。
 

親指シフト入力の本質は、その「スピリチュアル性」にあり?!

今回の講座で伺った「親指シフト」に関する話のなかで印象的だったのは
そのキー配列と入力方法がもたらす「スピリチュアル性」だ。

親指シフトについてよく言われるのが「しゃべるように日本語入力ができる」というもの。

ローマ字入力は結局、脳内で一旦「日本語をローマ字へ変換する回路が働いている」という点で
それがどんなに早くても、無意識レベルでは「スムーズな日本語入力」にはなっていないのだそうだ。

その点で親指シフトは、よりダイレクトな日本語入力になる。
そのため、親指シフトを習熟すると、楽なタイピング以外にもたらされる、ある意味 ”最大のギフト” というべきものがあるのだという。

それは

より「潜在意識」にアクセスした日本語のアウトプット。

親指シフトユーザーがその入力を「気持ちいい」と表するのは、この点もあるようだ。

そして、この「より潜在意識にアクセスした日本語のアウトプット」によって

無意識下から自ずと、より ”深い” 文章が引き出される。

・・・のだそう。

その文章は、自分の「顕在意識」では思ってもみない言霊が出て来る・・・という体験すら、あるという。

そして、その文章はやがて・・・

己の文体をも ”変容” させていく。

どうだ、実にアヤシクなってきたではないか・・・

こういう話、大好物である・・・。 
 
 
こういった話を聞いていると、親指シフトの持つ本質は、その「スピリチュアル性」なのではないか、と思うのだ。

そしてそれは、言うなれば

「マインドフルネス・タイピング」。

・・・とでも言うべきではないのだろうか。

「親指シフト」を広めようとしたが故の「ミスリード」とは

富士通による親指シフト開発後は、勿論それを広めようとする動きがあった。

そして開発当時は、まだまだ「ワープロ全盛」時代。
そしてそのコアユーザーは、小説家をはじめとした「物書き」の人たち。

自身の中から引き出される文章の深みを追求する彼らにとって
既述したような「マインドフルネス・タイピング」といった本質は
アヤシイどころか、まさにニーズとマッチしたため、早いうちから受け入れられた。

しかし彼らだけでは、この独自規格の需要拡大にはならない。
富士通としては、裾野を一般ユーザーにも広げたいところだが・・・

その頃はせいぜい「年に1回ワープロで年賀状を作る」程度だった、一般ユーザー。

しかし一般ユーザーにも次第にタイピングの需要が増えていくなかで
親指シフトを広める為の売り文句として前面に出されたのが

「タイピングの速さ」、というもの。

しかしながら。
親指シフトの「速さ」に対する基本理念は、せいぜい「手書きより速い」というものだった。

むしろ、既述した精神性こそが、親指シフトの理念の根幹だったのだ。

しかし、それではあまりに怪し過ぎて、一般ユーザーには理解されるはずがない。
・・・そう踏んだ上でやむなく選んだ売り文句が「速く打てる」、だったのだ。

基本理念の、ミスリード。
そしてそのミスリードは皮肉にも、その「速さ」に飛びついたユーザーの習熟を逆に妨げ
脱落者を作る要因にもなってしまう、という現象を生み出すことになってしまったのだった。

というのも・・・

習熟に必要なのは ”「速さ」を後回しにして「正確性」に徹すること” だった

親指シフトの習熟に必要なのは、「速打ち」ではなく「ミスタイプ」しないこと。

速さは結果的に追従するものに過ぎないのだそうだ。

とにかく、間違えない。ミスタイプを体に染み付かせない。
早打ち型の練習のせいで一旦体が覚えたミスタイプを修正するのは、大変な労力なのだ。

まさに「急がば回れ」、である。

これまでの入力方法からの「乗り換え時」は?

これについては「1分あたり40字くらいのスピードになったとき」が良いとのこと。

この「少々重いな・・・」というスピード感のうちに変えないと逆に、乗り換え時を失うようだ。

そもそも練習の方法は「文章を”見ながら”写す」のが中心。
これに対し、タイピングの「実務世界」とはそもそも、「自分の中から出る言葉をアウトプットする」こと。

「文章創造」という ”実務の大海原” に出ることがないまま、ただの「書き写しマスター」になってしまうと
結局いつまでも ”大海原” に出るタイミングを失ってしまうようだ。

まずは「ホームポジションだけ」で打てる文章を、ゆっくりと

1日15分でいいから、練習する。

習熟のカギはとにかく「練習日を途切れさせない」ことにあるようだ。

そしてその習熟は、早くて数ヶ月、という「長期スパン」を睨んでおくこと。 

焦らず着実に、習熟を目指していきたい。

そして・・・その果てにある「気持ちよさ」。

何より、「自身から出る ”まだ見ぬ表現の境地” 」を、見てみたいものだ。
 
 
おしまい。 

おすすめの記事